神奈川県平塚市の整形外科〜医療法人社団 久保田整形外科医院〜
やましたリハ通信

やましたリハ通信 第12号

2016年1月

多職種の連携を図るために

平塚市では、人口減少や少子化、高齢化が急速に進む社会情勢のなかで、新たな「まちづくりの指針として、今年度より8年間の総合計画を策定しています。その中に、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう「地域包括ケアシステム」の構築が進められています。昨年10月に、平塚市において在宅医療・介護に携わっている多職種のセミナーが開催されましたが、平塚市医師会員も参加し積極的に地域での問題点や課題の検討を行いました。

さて、昨年4月の介護報酬改定でも「地域包括ケアシステム」を推進するために、理学療法士等が多職種と連携して情報の共有を図る「リハビリテーション会議」の開催が求められました。これによりさらに生活に眼を向けたリハビリテーションの実践が期待されています。そこで、その会議の意義を検証するため、昨年11月、ケアマネージャーの方々にアンケート調査(回答率67.7%)をさせて頂きました。その結果として、①60%の方がケアプランを立てる上で会議内容が役にたったものの、ケアプランへ反映できたという回答は50%程度でした。②理学療法士の訪問指導は本人や家族にとって役に立っているとの回答が76%でした。③会議の日程調整に苦労し業務負担が増えたとの回答も40%以上あり、今後、会議の開催を継続していくためにも参加される方々の負担軽減を図り、効率のよい有意義な「リハビリテーション会議」の開催を検討していきたいと思います。お忙しいなか、ご回答を頂きました方々に改めて御礼申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

理事長 久保田 亘


PTより「転倒予防のコツ」

寒い季節は体が硬くなる

暑い季節は運動しても体が軽いのに寒くなると身体が硬くなる、動きにくいなんてことがありますね。これは筋肉が収縮し硬くなることで起こります。身体の熱を外に出さないように筋肉も小さくなり固くなってしまいます。寒さで末梢血管が収縮すると血流が減り、筋肉の酸欠でさら固くなってしまいます。特に足の筋肉は寒さの影響を受け易いといわれ、そのため「動きにくい」「体が硬い」と感じるのです。

対処法は

*運動や活動の前に体を温める。
起床時に少しストレッチをする
*体を冷やさない。
カイロや下着で温かくする工夫を
*体を温める食事を摂る。
温野菜やスープを食べましょう。

(介護福祉士 小野亜矢)


【RSウイルス感染症】をご存知ですか?

RSウイルスによる乳幼児の代表的な感染症ですが、成人・高齢者に至るまで再感染を繰り返します。インフルエンザと同様に介護施設で集団感染が発生することもあり重症化すると致死率が高くなるといわれています。初期症状は、鼻汁・咳・発熱等の風邪に似た症状ですが、免疫力の低下や基礎疾患があると重症化し気管支炎を起こしたり、肺炎球菌等の二次感染の危険もあります。有効なワクチンや抗ウイルス薬がないため治療は、症状に対応する対症療法となります。

感染しないために予防の習慣を!

*手洗い・うがい
飛沫や接触により感染します。徹底して行いましょう。
*マスクをする
特に外出時は心がけましょう。
*免疫力アップ
腸内に免疫細胞の70%が存在しているといわれます。腸の活動が活発になる夜にヨーグルトを食べることをお勧めします。

(介護福祉士 樋代涼子)


【歩行速度の低下は転倒の危険因子になる】 つまずく=すり足の原因

歩行速度と転倒の関連性については、近年様々な角度から検討されており、歩行速度の低下は転倒のみならず再転倒と密接に関連すると指摘されています。転倒のほとんどは歩行中に発生することから転倒予防には歩行機能の加齢変化を知る必要があります。高齢者はなぜつまずきやすくなってしまうのか…。

(理学療法士 岡見麻美子)

「前脛骨筋」 歩くときにつま先を上げる役割を担っている
「大腿四頭筋」 膝を伸ばす、股を上げる、椅子からの立ち上がり時に使われる
「腸腰筋」 股を上げる、階段を上る時に使われる
「ハムストリングス」 膝を曲げる、大きく歩幅をとって歩く時に使われる
「下腿三頭筋」 つま先立ちする、地面を蹴る時に使われる

これらの筋力の衰えは歩幅の短縮そして歩行速度の低下に結びつき、転倒の危険要因になります。意識して鍛えることで改善をめざしましょう。

転倒予防ガイドライン策定研究班:高齢者の転倒予防ガイドライン.メジカルビュー社,2012,p17-19


やました通所リハビリテーション
発行
久保田整形外科医院
発行責任者
施設長 久保田千栄子
発行日
2016年1月
神奈川県平塚市山下458
医院:0463-35-2611 通所:0463-37-5786
バックナンバー
やましたリハ通信 第36号
変化の年を迎えて
やましたリハ通信 第35号
ロコトレをやってみましょう!!
やましたリハ通信 第34号
ロコモについてもっと知ろう!
やましたリハ通信 第33号
継続した運動習慣を
やましたリハ通信 第32号
歩行訓練による歩行機能の改善
やましたリハ通信 第31号
利用者評価を実施して
やましたリハ通信 第30号
ホームページをリニューアルしました
やましたリハ通信 第29号
より多くの方に知って頂くために
やましたリハ通信 第28号
ちょっとした運動をしましょう!
やましたリハ通信 第27号
継続したリハビリテーションの効果
やましたリハ通信 第26号
コロナフレイルに気を付けましょう
やましたリハ通信 第22号
新たなスタート!
やましたリハ通信 第21号
新しい年を迎えて
やましたリハ通信 第20号
介護度の変化を調査して
やましたリハ通信 第19号
診療報酬・介護報酬同時改定に際して
やましたリハ通信 第18号
「ストップ・ザ・ロコモ」を目指して
やましたリハ通信 第16号
通所リハビリテーションの意義
やましたリハ通信 第15号
「やましたリハ通信」の評価を頂いて
やましたリハ通信 第14号
医学会(北海道)に参加して
やましたリハ通信 第13号
「利用者評価」の実施結果を踏まえて
やましたリハ通信 第12号
多職種の連携を図るために
やましたリハ通信 第11号
健康寿命を延ばしましょう!
やましたリハ通信 第10号
地域包括ケアシステムの実現に向けて
やましたリハ通信 第9号
地域リハビリテーションの充実のために
やましたリハ通信 第8号
東日本大震災から3年
やましたリハ通信 第5号
防災意識を高めましょう!
やましたリハ通信 第4号
運動の習慣を持ちましょう!
やましたリハ通信 第3号
年頭に当たって
やましたリハ通信 創刊号
やましたリハ通信創刊に寄せて