平塚市では、人口減少や少子化、高齢化が急速に進む社会情勢のなかで、新たな「まちづくりの指針として、今年度より8年間の総合計画を策定しています。その中に、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう「地域包括ケアシステム」の構築が進められています。昨年10月に、平塚市において在宅医療・介護に携わっている多職種のセミナーが開催されましたが、平塚市医師会員も参加し積極的に地域での問題点や課題の検討を行いました。
さて、昨年4月の介護報酬改定でも「地域包括ケアシステム」を推進するために、理学療法士等が多職種と連携して情報の共有を図る「リハビリテーション会議」の開催が求められました。これによりさらに生活に眼を向けたリハビリテーションの実践が期待されています。そこで、その会議の意義を検証するため、昨年11月、ケアマネージャーの方々にアンケート調査(回答率67.7%)をさせて頂きました。その結果として、①60%の方がケアプランを立てる上で会議内容が役にたったものの、ケアプランへ反映できたという回答は50%程度でした。②理学療法士の訪問指導は本人や家族にとって役に立っているとの回答が76%でした。③会議の日程調整に苦労し業務負担が増えたとの回答も40%以上あり、今後、会議の開催を継続していくためにも参加される方々の負担軽減を図り、効率のよい有意義な「リハビリテーション会議」の開催を検討していきたいと思います。お忙しいなか、ご回答を頂きました方々に改めて御礼申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
理事長 久保田 亘
暑い季節は運動しても体が軽いのに寒くなると身体が硬くなる、動きにくいなんてことがありますね。これは筋肉が収縮し硬くなることで起こります。身体の熱を外に出さないように筋肉も小さくなり固くなってしまいます。寒さで末梢血管が収縮すると血流が減り、筋肉の酸欠でさら固くなってしまいます。特に足の筋肉は寒さの影響を受け易いといわれ、そのため「動きにくい」「体が硬い」と感じるのです。
*運動や活動の前に体を温める。
起床時に少しストレッチをする
*体を冷やさない。
カイロや下着で温かくする工夫を
*体を温める食事を摂る。
温野菜やスープを食べましょう。
(介護福祉士 小野亜矢)
RSウイルスによる乳幼児の代表的な感染症ですが、成人・高齢者に至るまで再感染を繰り返します。インフルエンザと同様に介護施設で集団感染が発生することもあり重症化すると致死率が高くなるといわれています。初期症状は、鼻汁・咳・発熱等の風邪に似た症状ですが、免疫力の低下や基礎疾患があると重症化し気管支炎を起こしたり、肺炎球菌等の二次感染の危険もあります。有効なワクチンや抗ウイルス薬がないため治療は、症状に対応する対症療法となります。
*手洗い・うがい
飛沫や接触により感染します。徹底して行いましょう。
*マスクをする
特に外出時は心がけましょう。
*免疫力アップ
腸内に免疫細胞の70%が存在しているといわれます。腸の活動が活発になる夜にヨーグルトを食べることをお勧めします。
(介護福祉士 樋代涼子)
歩行速度と転倒の関連性については、近年様々な角度から検討されており、歩行速度の低下は転倒のみならず再転倒と密接に関連すると指摘されています。転倒のほとんどは歩行中に発生することから転倒予防には歩行機能の加齢変化を知る必要があります。高齢者はなぜつまずきやすくなってしまうのか…。
(理学療法士 岡見麻美子)
「前脛骨筋」 | 歩くときにつま先を上げる役割を担っている |
「大腿四頭筋」 | 膝を伸ばす、股を上げる、椅子からの立ち上がり時に使われる |
「腸腰筋」 | 股を上げる、階段を上る時に使われる |
「ハムストリングス」 | 膝を曲げる、大きく歩幅をとって歩く時に使われる |
「下腿三頭筋」 | つま先立ちする、地面を蹴る時に使われる |
これらの筋力の衰えは歩幅の短縮そして歩行速度の低下に結びつき、転倒の危険要因になります。意識して鍛えることで改善をめざしましょう。
転倒予防ガイドライン策定研究班:高齢者の転倒予防ガイドライン.メジカルビュー社,2012,p17-19